栗きんとん

  • 岐阜県中津川市
  • グルメ | デザート・菓子・餅
  • 旬:9~10月頃
準備中
茶巾で絞られた上品なひだを纏い、まるで掘り出したばかりの栗そのもののような素朴な黄金色を放つ「栗きんとん」は、中津川市や恵那市をはじめとする東濃地域が世界に誇る、秋の訪れを告げる至高の和菓子です。 一般的なおせち料理の粘り気のある甘いものとは一線を画し、原材料が「栗」と「砂糖」だけという、究極の…

茶巾で絞られた上品なひだを纏い、まるで掘り出したばかりの栗そのもののような素朴な黄金色を放つ「栗きんとん」は、中津川市や恵那市をはじめとする東濃地域が世界に誇る、秋の訪れを告げる至高の和菓子です。

一般的なおせち料理の粘り気のある甘いものとは一線を画し、原材料が「栗」と「砂糖」だけという、究極のシンプルさが最大の凄みです。職人が、地元や厳選された山々で収穫された新鮮な栗を大ぶりの釜でじっくりと蒸し上げ、熱いうちに実を丁寧に掘り出します。これを細かくすり潰し、栗本来の繊細な風味を絶対に損なわないよう、ごく少量の砂糖だけを加えて絶妙な火加減で練り上げていきます。あえて小さな粒を残すことで、独特のほくほくとした素朴な質感が生まれます。仕上げに、熟練の職人が一つずつ手際よく茶巾で絞り上げ、栗の形を模した美しい独自の姿が完成します。

お皿からそっと指先でつまんで口へ運べば、しっとりとしたなめらかな舌触りの直後、お口の中で栗がハラハラと心地よく解けていきます。噛み締めるたびに、お砂糖の優しい甘みが栗の持つ濃厚なコクと高貴な香りをダイレクトに引き立て、大地の豊かな恵みが口いっぱいに広がります。

発祥

江戸時代、中山道の宿場町として栄えた東濃地方では、茶の湯文化が流行し、お茶に合うおいしい菓子の一つとして、栗きんとんも誕生したと言われています。