とろろ昆布

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江戸時代から明治時代にかけて日本海を行き交った「北前船」が、北海道から富山を経由して昆布を持ち込んだことを契機に、独自の発展を遂げた食文化の象徴が「とろろ昆布」です。 この食材の特徴は、厳選した昆布を何枚も重ねてブロック状に固め、その断面を職人や専用の機械で薄く薄く、まるで絹糸のように削り出す製…

江戸時代から明治時代にかけて日本海を行き交った「北前船」が、北海道から富山を経由して昆布を持ち込んだことを契機に、独自の発展を遂げた食文化の象徴が「とろろ昆布」です。

この食材の特徴は、厳選した昆布を何枚も重ねてブロック状に固め、その断面を職人や専用の機械で薄く薄く、まるで絹糸のように削り出す製法にあります。醸造酢に漬け込んで柔らかくした昆布を削るため、独特のまろやかな酸味を持ち、空気をたっぷりと含んだ極上のふんわりとした質感が生まれます。黒い外皮を中心に削った風味の強い「黒とろろ」や、内側の白い芯を削った上品な甘みの「白とろろ」など、種類による使い分けも盛んです。

袋から取り出すと、お酢のツンとした爽やかな匂いと、昆布特有の芳醇な磯の香りが周囲に漂います。温かい白米の上にたっぷりと乗せて口へ運べば、ご飯の熱と水分を吸った昆布がお口の中でねっとりとなめらかに溶けていきます。お米の自然な甘みを、昆布が持つ濃厚なグルタミン酸の旨味とお酢の酸味が優しく包み込み、醤油をかけずとも絶妙な塩梅が成立します。富山では、おにぎりの全面に海苔の代わりとしてこのとろろ昆布を贅沢にまぶしつけるのが一般的です。

発祥

江戸時代、北海道で採れた質の高い昆布が富山にも運ばれ、長い時間をかけて運ぶ過程で、昆布の表面に生えたカビを取り除くために薄く削ったのがとろろ昆布の起源と言われてます。