焼き鯖そうめん

  • 滋賀県長浜市
  • グルメ | 麺類 | そうめん
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長浜市を中心とする湖北地方に伝わり、農繁期の定番料理やハレの日のごちそうとして、今も各家庭や専門店で深く愛されている独特な郷土料理が「焼き鯖そうめん」です。かつて若狭湾で獲れた鯖を京へ運ぶ「鯖街道」の物資が長浜にも流入した歴史を背景に、農家に嫁いだ娘を案じて親が鯖を贈る「五月見舞い」の習わしから生…

長浜市を中心とする湖北地方に伝わり、農繁期の定番料理やハレの日のごちそうとして、今も各家庭や専門店で深く愛されている独特な郷土料理が「焼き鯖そうめん」です。かつて若狭湾で獲れた鯖を京へ運ぶ「鯖街道」の物資が長浜にも流入した歴史を背景に、農家に嫁いだ娘を案じて親が鯖を贈る「五月見舞い」の習わしから生まれた伝統の味です。

仕込みの要は、直火で香ばしく焼き上げられた肉厚な大ぶりの真鯖です。焼き鯖を、醤油、みりん、砂糖、そしてたっぷりの出汁を合わせた大釜のタレの中へ入れ、形が崩れないよう数時間から丸一日かけてじっくりと煮込みます。そうめんは、鯖を煮た後の旨味と脂がたっぷりと溶け出した濃厚な煮汁をそのまま使って手早く茹で上げ、お皿の上に美しく丸めて盛り付けたのち、その上にホロホロに甘辛く煮含められた焼き鯖の塊を豪快に鎮座させます。

お皿が目の前に運ばれてくると、濃い醤油ダレが焦げた香ばしい匂いと、鯖の脂が熱を帯びた豊かな薫りが一気に立ち上ります。箸で鯖の身を解し、煮汁をたっぷりと吸ったそうめんと一緒に口に含むと、細い麺のしなやかな喉越しとともに、骨まで柔らかくなった鯖の身が、しっとりと一体になりながら心地よく解けていきます。

発祥

長浜などの湖北地方には、若狭で獲れた鯖を焼いて保存性を高めた焼鯖が大量に運ばれてきました。この手に入りやすかった焼鯖と、保存のきくそうめんを組み合わせる文化が、江戸時代頃から農村部を中心に根付いたとされています。