にしんそば

  • 京都府京都市
  • グルメ | 麺類 | そば
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四方を山に囲まれた盆地であり、かつて新鮮な海の魚を運ぶのが困難だった京都の街において、北海道から運ばれた乾燥品の身欠きニシンを巧みに戻して用いることで誕生した、京の出汁文化を代表する名物麺料理が「にしんそば」です。 この料理は、数日間かけて水戻しした身欠きニシンを、醤油や砂糖、みりんを合わせた濃…

四方を山に囲まれた盆地であり、かつて新鮮な海の魚を運ぶのが困難だった京都の街において、北海道から運ばれた乾燥品の身欠きニシンを巧みに戻して用いることで誕生した、京の出汁文化を代表する名物麺料理が「にしんそば」です。

この料理は、数日間かけて水戻しした身欠きニシンを、醤油や砂糖、みりんを合わせた濃いめのタレでじっくりと時間をかけて骨まで柔らかく煮込み、その甘露煮を温かいかけそばの上に丸ごと乗せて仕上げます。合わせるスープは、昆布やカツオの旨味をベースに、薄口醤油で透き通るように仕立てられた上品な京風の出汁であり、甘露煮の濃厚な味付けを優しく受け止めます。

湯気が立ち上る大きな器が目の前に運ばれてくると、透き通ったお出汁の芳醇な香りと、甘辛く煮込まれたニシンの魚油の香ばしい薫りが合わさって漂います。箸を入れてお蕎麦をニシンの身と一緒に手際よく手繰り、口に含むと、しなやかな蕎麦の食感とともに、ホロホロと柔らかいニシンの身がしっとりと一体になりながら解けていきます。噛み締めるほどに、ニシンの内側から溢れ出す濃厚な甘辛さと青魚のコクが、京風出汁のまろやかな塩気と綺麗に溶け合います。

発祥

1882年に「総本家にしんそば 松葉」の二代目店主が、芝居小屋が並ぶ祇園で、観劇後のお客様に栄養価が高く、手早く食べられるものを提供するために考案しました。