京漬物
- 京都府京都市
- グルメ | 野菜・豆腐
四方を山に囲まれた盆地であり、かつては新鮮な海産物を手に入れることが困難だった京都の街において、保存性を高めながら野菜の美味しさを引き出す知恵から生まれた、京の食卓に欠かせない伝統食材が「京漬物」です。
料理は、それぞれの野菜が持つ水分量や繊維の硬さに合わせ、塩の量や重石の掛け方を精緻に調整しな…
四方を山に囲まれた盆地であり、かつては新鮮な海産物を手に入れることが困難だった京都の街において、保存性を高めながら野菜の美味しさを引き出す知恵から生まれた、京の食卓に欠かせない伝統食材が「京漬物」です。
料理は、それぞれの野菜が持つ水分量や繊維の硬さに合わせ、塩の量や重石の掛け方を精緻に調整しながら、じっくりと時間をかけて乳酸発酵や樽漬けを行うことで仕立てられます。「千枚漬」の透き通るような薄さや、「しば漬」の鮮やかな紫蘇の色彩など、野菜ごとに最適な加工が施されます。余計な調味料で味を誤魔化さず、乳酸発酵による自然な酸味と、素材が持つ本来の甘みを丁寧に引き出す点に工夫があります。
薄切りにされたカブや小鉢に盛られた刻み漬けが食卓に並ぶと、お酢や紫蘇の爽やかな酸味と、大地の清々しい薫りが漂います。ひとつまみ取り分けて口へと運ぶと、ひんやりとした瑞々しい質感のあと、ポリポリ、あるいはシャキシャキとした小気味よい歯ごたえが奥歯に心地よく響きます。野菜の芯までじっくりと染み込んだ塩気と、発酵由来の奥深いコクが綺麗に重なり合います。
発祥
平安時代以降、山に囲まれ、新鮮な魚介類が手に入りにくかった京都において、 旬の時期に収穫した野菜を、冬や端境期にも食べられるよう、塩や味噌、ぬかを使って保存する技術が寺院の精進料理や宮中の食文化の中で発展してきました。
