しじみ
- 島根県松江市、出雲市
- グルメ | 魚介
- 旬:1~3月頃、7月頃
松江市と出雲市にまたがる宍道湖の朝、湖面には「じょれん」と呼ばれる籠のついた竿を操る漁師たちの小舟が浮かびます。ここで獲れる「ヤマトシジミ」は、全国随一の水揚げ量を誇る島根県の特産品です。
器に盛られたお味噌汁からは、お味噌の香りの向こうから、澄んだ磯の匂いが湯気とともに立ち上ります。貝を水から…
松江市と出雲市にまたがる宍道湖の朝、湖面には「じょれん」と呼ばれる籠のついた竿を操る漁師たちの小舟が浮かびます。ここで獲れる「ヤマトシジミ」は、全国随一の水揚げ量を誇る島根県の特産品です。
器に盛られたお味噌汁からは、お味噌の香りの向こうから、澄んだ磯の匂いが湯気とともに立ち上ります。貝を水からじっくりと火にかけることで、殻が開き、中からコハク酸などの旨味成分を含んだ濃い白いエキスがスープへと溶け出していきます。お汁をひと口すすると、貝類特有の滋味深いコクが口の中に広がり、五臓六腑にじんわりと染み渡るような優しい温かさに包まれます。
宍道湖のしじみは、お出汁の濃厚さだけでなく、中の身そのものをしっかり味わえる大きさがあります。箸で身をつまんで口に運べば、小粒ながらもプリッとした弾力のある歯ごたえがあり、噛むほどに貝のふくよかな甘みが弾けます。毎朝の食卓に並ぶお味噌汁の主役としてはもちろん、旨味が強い性質を活かして、すっきりと塩だけで仕立てるすまし汁や、ふっくらとした身を贅沢に楽しむ酒蒸しにしても、その豊かな風味は少しも損なわれません。島根の豊かな水環境と、伝統の漁法が今に伝える、暮らしに根付いた本物の美味です。
