岩国寿司

  • 山口県岩国市
  • グルメ | ご飯もの | 寿司
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城下町として栄えた岩国市の中心部や、錦帯橋周辺の老舗割烹、歴史ある食事処などで、お殿様への献上料理に由来する華やかな日常の味として受け継がれているのが「岩国寿司」です。別名「殿様寿司」とも呼ばれるこの一皿は、一度に数十人分を四角い大きな木枠で仕込む独特の「押し寿司」スタイルが特徴です。 個性を際…

城下町として栄えた岩国市の中心部や、錦帯橋周辺の老舗割烹、歴史ある食事処などで、お殿様への献上料理に由来する華やかな日常の味として受け継がれているのが「岩国寿司」です。別名「殿様寿司」とも呼ばれるこの一皿は、一度に数十人分を四角い大きな木枠で仕込む独特の「押し寿司」スタイルが特徴です。

個性を際立たせているのは、岩国地方の豊かな山の幸と海の幸を何層にも重ね合わせる贅沢な構造にあります。木枠の中に、甘口に仕立てた酢飯を敷き詰め、その上にじっくり甘辛く煮た椎茸や蓮根、さらに錦糸卵や、瀬戸内のアジやサバなどのほぐし身、そして緑鮮やかな春菊などを重ね、これを三層、四層と職人が体重をかけて実直に押し固めていきます。

コテで四角く切り分けられた一切れをお箸で崩しながら口へ運ぶと、豊かな旨味がじんわりと満ちていきます。ひと口目は酢飯のまろやかな酸味と錦糸卵の優しい甘みが広がり、続けて岩国特産の蓮根を噛み締めれば、シャキシャキとした軽快な歯ごたえが心地よく響きます。椎茸の滋味深いコクや青味野菜のみずみずしい苦みが、お魚の旨味をいっそう鮮やかに引き立て、噛むごとに異なる食感と香りのレイヤーが交互に現れます。

発祥

諸説ありますが、江戸時代、岩国藩初代藩主・吉川広家が、岩国城が山の上にあり、水の確保が難しいために運搬が便利で大量の保存性が高い料理を求めたことがきっかけで、考案されたと言われています。