そば米雑炊

  • 徳島県三好市
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四国山地の険しい山々に囲まれた三好市などの祖谷地方をはじめ、徳島県全域の食事処や家庭の食卓で、冷えた身体を芯から温める冬の定番料理として愛されているのが「そば米雑炊」です。 プチプチとした独特の食感を残したそば米と、山海の恵みが溶け込んだ特製のお出汁がおいしさをもたらします。主役となるそば米は、…

四国山地の険しい山々に囲まれた三好市などの祖谷地方をはじめ、徳島県全域の食事処や家庭の食卓で、冷えた身体を芯から温める冬の定番料理として愛されているのが「そば米雑炊」です。

プチプチとした独特の食感を残したそば米と、山海の恵みが溶け込んだ特製のお出汁がおいしさをもたらします。主役となるそば米は、あらかじめ下茹でして柔らかく戻され、そこに鶏肉やシイタケ、人参、大根、ちくわ、油揚げといった沢山の具材を細かく刻んで合わせます。これらを昆布やかつお節、あるいは鶏ガラから丁寧に引いた薄味の和風出汁でじっくりと煮込み、具材の旨味をそば米の芯まで実直に染み込ませていきます。

器から木匙でそば米と具材を一緒にすくい、熱々のうちに口へ運ぶと、豊かな香りが心地よく広がります。ひと口噛み締めるごとに、粒状のそば米が口の中で小気味よく弾け、中からお出汁をたっぷりと吸った素朴な小麦とは異なる穀物の甘みがじわりと溶け出してきます。鶏肉のジューシーなコクやシイタケの滋味深い旨味が、そば米の上品な風味をいっそう鮮やかに引き立て、噛むほどに五臓六腑にしみわたるような優しい余韻を残します。

発祥

12世紀末の源平合戦に敗れ、祖谷に逃げ延びた平家の一族が、稲作が困難な祖谷の地で米の代わりに栽培が容易なそばを育て、正月料理にそばを用いた雑炊などを作ったことが始まりと言われています。