おいり
- 香川県西部地域
- グルメ | デザート・菓子・餅
主に結婚式の引き出物や嫁入りの挨拶回りで配られる「おいり」は、その愛らしい見た目と儚い食感によって、人々の心に深く寄り添い続けている、香川を代表する至高の伝統銘菓です。
個性は、直径1センチメートルほどの丸い一粒に込められた、職人の実直な手仕事にあります。地元産の厳選されたもち米を丁寧に蒸して搗…
主に結婚式の引き出物や嫁入りの挨拶回りで配られる「おいり」は、その愛らしい見た目と儚い食感によって、人々の心に深く寄り添い続けている、香川を代表する至高の伝統銘菓です。
個性は、直径1センチメートルほどの丸い一粒に込められた、職人の実直な手仕事にあります。地元産の厳選されたもち米を丁寧に蒸して搗き、薄く伸ばして乾燥させた後、職人が絶妙な火加減で煎り上げていきます。さらに、赤や青、黄、白といった縁起の良い五色に染め上げられ、中が完全に空洞になるようふっくらと仕上げられます。「心を丸く持って、まめまめしく働きます」という、お嫁さんの実直な決意がこの形に託されています。
数粒をそっと指先でつまみ、そのままお口へ運ぶと、未体験の優しい驚きが広がります。外側の極薄い膜が舌の上で「ふわっ」と心地よく解けた瞬間、噛む間もなく一瞬にして溶けて消えていく儚い口溶けが響きます。ニッキ(シナモン)のキリッとした爽やかな香りと、お米本来の上品な甘みが口の中にじわりと広がり、後味をどこまでもすっきりと変化させてくれます。近年ではソフトクリームや洋菓子のトッピングとしても愛され、その華やかさで新しい和の魅力を放っています。
発祥
誕生は1587年頃の丸亀城主・生駒親正公の姫君の婚礼にさかのぼると伝えられています。領下の百姓が、お祝いの品として五色の煎りものあられを献上し、生駒公はこれを大変気に入ったことで、婚礼の際のおめでたいお菓子として、丸亀藩の領民の間に広まりました。
