太平燕

  • 熊本県熊本市
  • グルメ | 煮物・汁物
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熊本の「太平燕」は、一般的な小麦粉の麺を一切使用せず、緑豆を原料とした透明でコシのある春雨を主役に据え、その中央に「虎皮蛋」と呼ばれるゆで卵を丸ごと油で揚げたものを配置する独特の構成を持った郷土の麺料理です。 周囲を、新鮮なエビやイカ、豚肉、さらにはキャベツやハクサイ、タケノコ、キクラゲといった…

熊本の「太平燕」は、一般的な小麦粉の麺を一切使用せず、緑豆を原料とした透明でコシのある春雨を主役に据え、その中央に「虎皮蛋」と呼ばれるゆで卵を丸ごと油で揚げたものを配置する独特の構成を持った郷土の麺料理です。

周囲を、新鮮なエビやイカ、豚肉、さらにはキャベツやハクサイ、タケノコ、キクラゲといった山海の豊富な具材が器の隙間を埋め尽くすように覆っており、非常にボリュームがありながらも優れた栄養バランスを誇る一杯に仕立てられます。現地のお店を訪れると、老舗の中華料理店から町の中華食堂まで多彩な店舗の品書きに並んでおり、手軽にその優しい味わいを楽しめます。

熱々のスープを口に運べば、鶏ガラと豚骨をベースにじっくりと煮出された出汁のまろやかなコクと、強火で一気に炒められた肉や野菜の旨味が幾重にも溶け込んだ、すっきりと洗練された塩味が広がります。スープの旨味を芯までたっぷりと吸い込んだ春雨は、ツルツルとした小気味よい喉越しと心地よい弾力を生み出します。香ばしい揚げ卵の衣にスープを染み込ませ、黄身の濃厚なコクをスープに溶かしながら、タケノコのサクサク感やキクラゲのコリコリとした歯ごたえを合わせることで、豊かな風味を堪能できます。

発祥

太平燕のルーツは、中国福建省福州の郷土料理にあり、明治時代後期に長崎や熊本に移り住んだ華僑の人々によって伝えられました。日本ではアヒルの卵や燕皮といった食材が手に入りにくかったため、代用品として揚げた鶏の卵と春雨が使われるようになり、熊本独自の太平燕の形となったと言われています。