江戸和竿

  • 東京都台東区、葛飾区、荒川区
  • 伝統工芸品 | 木工品・竹工品
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江戸和竿は江戸時代の中期、武士たちの間で盛んになった川釣りの文化を背景に、単なる道具の枠を超えて、魚との駆け引きを風流に楽しむための精緻な工芸品へと発展を遂げました。カーボン製の現代的な竿には決して真似のできない、魚が掛かった瞬間に美しく弧を描く「しなやかな弾力」と、水中の様子が指先にそのまま伝わ…

江戸和竿は江戸時代の中期、武士たちの間で盛んになった川釣りの文化を背景に、単なる道具の枠を超えて、魚との駆け引きを風流に楽しむための精緻な工芸品へと発展を遂げました。カーボン製の現代的な竿には決して真似のできない、魚が掛かった瞬間に美しく弧を描く「しなやかな弾力」と、水中の様子が指先にそのまま伝わる「圧倒的な感度」があります。

別格の機能美を成立させているのが、種類の異なる野生の竹を組み合わせる「切り組み」と、職人の高度な「矯め(ため)」の技術です。職人は、布袋竹や矢竹など、太さも節の詰まり方も一本ずつ異なる天然の竹を全国から厳選。火の熱を当てて竹の曲がりをまっすぐに直す「矯め」の作業を何度も繰り返し、それぞれの竹の硬さや粘りを見極めながら、一本の理想的な竿へと繋ぎ合わせていきます。さらに、表面や継ぎ目には数か月にわたって何度も「漆塗り」と研磨が繰り返され、竹の防水性を極限まで高めると同時に、深みのある美しい琥珀色の光沢が生まれます。

魚の強い引きを竿全体で吸収して手元を労わる合理的な設計であり、水辺での静かな時間をこの上なく贅沢な体験へと変えてくれます。