名古屋桐箪笥

  • 愛知県名古屋市
  • 伝統工芸品 | 木工品・竹工品
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名古屋桐箪笥は、江戸時代初期、徳川家康による名古屋城築城の際、全国から集まった優れた職人たちがこの地に定着し、家具作りを始めたことからその歴史を歩み始めました。洗練された「機能美」と、日本の激しい気候変化から衣類を完全に保護する「驚異的な気密性」があります。 実用性を成立させているのが、数年間も…

名古屋桐箪笥は、江戸時代初期、徳川家康による名古屋城築城の際、全国から集まった優れた職人たちがこの地に定着し、家具作りを始めたことからその歴史を歩み始めました。洗練された「機能美」と、日本の激しい気候変化から衣類を完全に保護する「驚異的な気密性」があります。

実用性を成立させているのが、数年間もの間、雨風に晒して原木の「アク」を抜ききる徹底した素材作りと、釘を一切使わずに板を組み上げる「組み接ぎ」の精緻な手技です。湿度が高い時期にはキリが湿気を吸って膨張し、外気の浸入を完全にシャットアウト。逆に乾燥する冬場には収縮して内部の通気性を保ちます。職人はこの木の特性をミリ単位以下で見極め、引き出しを閉めると別の引き出しが空気圧で押し出されるほどの完璧な精度で仕立て上げます。

仕上げには、天然の砥粉と夜叉五倍子の質感を活かした、名古屋伝統の独特の艶やかな塗装が施され、キリ本来の美しい木目が気品高く浮かび上がります。時の経過とともに深みのある黄金色へと風格を増し、空間に凛とした静寂をもたらしてくれます。