京うちわ
- 京都府京都市、南丹市
- 伝統工芸品 | その他の工芸品
準備中
宮廷の調度品や絵画を飾るように発展を遂げてきた「京うちわ」。涼をとるための道具としてはもちろん、空間を彩る美術品として、今も日常に格調高い和の情緒を添えてくれる優美な意匠が特徴です。
特徴づけるのは、「挿し柄」と呼ばれる独自の構造にあります。一般的なうちわが一本の竹を裂いて骨と柄を一体にするのに…
宮廷の調度品や絵画を飾るように発展を遂げてきた「京うちわ」。涼をとるための道具としてはもちろん、空間を彩る美術品として、今も日常に格調高い和の情緒を添えてくれる優美な意匠が特徴です。
特徴づけるのは、「挿し柄」と呼ばれる独自の構造にあります。一般的なうちわが一本の竹を裂いて骨と柄を一体にするのに対し、京うちわは「うちわ面」と「柄」を完全に別々のパーツとして製作します。職人は、放射状に広げられた100本近くもの極細の竹骨を均一に並べ、そこに薄い和紙や絹を寸分のシワもなく貼り合わせて精緻なうちわ面を仕立てます。そのあと、杉や栂、あるいは上品な漆塗りを施した別作りの柄を、うちわ面の下部へ深く真っ直ぐに差し込むことで、一本のうちわへと完成させます。
この構造だからこそ、持ち手からうちわ面へ向かうラインがすっきりと美しく収まり、手に持ったときにしっくりとなじむ絶妙な重量バランスが生まれます。さらに、うちわ面には繊細な日本画や雅な和歌、型染めの技法がふんだんに施され、光を透かしたときに竹骨の細かな影と色彩が織りなす陰影は、まさに一幅の絵画のようです。
