二風谷アットゥㇱ
- 北海道沙流郡平取町
- 伝統工芸品 | 織物
準備中
二風谷地域に受け継がれる「二風谷アットゥㇱ」。アイヌの人々が古くから身にまとってきたこの樹皮衣は、厳しい北の大地に自生するオヒョウなどの木の内皮から繊維を一本ずつ手作業で引き出し、丹念に織り上げられる、自然の恵みと知恵の結晶です。
アットゥㇱの美しさと並外れた堅牢さを支えるのは、森に入って木を伐…
二風谷地域に受け継がれる「二風谷アットゥㇱ」。アイヌの人々が古くから身にまとってきたこの樹皮衣は、厳しい北の大地に自生するオヒョウなどの木の内皮から繊維を一本ずつ手作業で引き出し、丹念に織り上げられる、自然の恵みと知恵の結晶です。
アットゥㇱの美しさと並外れた堅牢さを支えるのは、森に入って木を伐採し、繊維として使える状態に整えるまでの気の遠くなるような下準備にあります。職人は初夏、水分をたっぷりと含んで剥がれやすくなったオヒョウの皮を剥ぎ、その中にある柔らかな内皮(靭皮)だけを丁寧に採取します。この内皮を温泉や木灰の入った湯でじっくりと煮込み、川の清流にさらして不純物を洗い流したあと、極薄の層を細かく裂いて糸を紡ぎ出します。
そして、この強靭な糸を「イカㇻリ」と呼ばれる伝統的な簡易織機を用いて、一段ずつ丹念に織り進めていきます。手作りの糸は一本ごとにわずかな太さの揺らぎがあるため、職人は指先にかかる糸の張力を絶妙にコントロールしながら、隙間なく美しく均一な平織りに仕上げていきます。こうして織り上がった布は、水に強く抜群の通気性を持ち、使い込むほどに肌に馴染んで独特の柔らかさと美しい琥珀色の光沢を放ちます。
