砥部焼

  • 愛媛県伊予郡砥部町周辺
  • 伝統工芸品 | 陶磁器
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砥部焼は、四国を代表する磁器でありながら、きらびやかな装飾をあえて排し、直線と曲線の美しさだけで勝負を続ける、非常にストイックな工芸品です。 器の審美的な骨格を支えているのが、地元で採掘される伊予砥の砥石屑から生まれた磁土です。独自の配合で精製されたこの土を高温で硬く焼き締めることで、わずかに青…

砥部焼は、四国を代表する磁器でありながら、きらびやかな装飾をあえて排し、直線と曲線の美しさだけで勝負を続ける、非常にストイックな工芸品です。

器の審美的な骨格を支えているのが、地元で採掘される伊予砥の砥石屑から生まれた磁土です。独自の配合で精製されたこの土を高温で硬く焼き締めることで、わずかに青みを帯びた、まるで透き通る冬の空気のような「清冽な白磁」が完成します。この完璧な白い余白の上に、職人が「呉須」と呼ばれる藍色の絵の具を使い、リズミカルに唐草文様や幾何学模様を描き込んでいきます。一見すると大胆でありながら、緻密に計算されたそのグラフィックデザインは、現代の北欧モダンやミニマルなインテリアにも不思議なほど美しく同調します。

砥部焼の真骨頂は、このスマートな美意識の底底に流れる「健やかな重量感」です。一般的な磁器のような薄手で繊細なガラス質の佇まいとは異なり、砥部焼はあえてぽってりと厚めに成形されます。この適度な厚みが、白磁特有の冷たさを和らげ、手にしたときにじんわりとした大地の安心感を伝えてくれるのです。