笠間焼

  • 茨城県笠間市周辺
  • 伝統工芸品 | 陶磁器
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笠間焼ほど輪郭の捉えどころのない産地はありません。産地を象徴する特定のシンボルカラーも、継承すべき絶対的な技法もなく、あるのは「作意の自由」だけです。 この地を異端の窯場へと変えたのは、歴史に対する独自のカウンターマインドです。江戸時代から続く日用雑器の産地でありながら、戦後、いち早く外部の多様…

笠間焼ほど輪郭の捉えどころのない産地はありません。産地を象徴する特定のシンボルカラーも、継承すべき絶対的な技法もなく、あるのは「作意の自由」だけです。

この地を異端の窯場へと変えたのは、歴史に対する独自のカウンターマインドです。江戸時代から続く日用雑器の産地でありながら、戦後、いち早く外部の多様な才能を受け入れ、「作家の個性を何よりも尊ぶ」という気風を血肉化させてきました。職人がろくろの前で対峙するのは、産地のルールではなく、自身の審美眼そのものです。そのため、素朴な土の地肌を活かした古典的な器があるかと思えば、現代建築のようにエッジの効いたミニマルな磁器、まるで彫刻作品のようなオブジェとしての顔を持つカップまでが、同じ「笠間焼」の名の下に呼吸しています。

その自由奔放な表現の底底には、笠間の粘土がもたらす確かな骨格が通底しています。地元の土は鉄分を多く含み、非常に粘り気が強いのが特徴です。この物性が、どれほどアヴァンギャルドな造形であっても、焼き上げた際に芯の通った「硬質な存在感」と、独特のじんわりとした温かみを器に与えてくれるのです。