鳴子漆器
- 宮城県大崎市
- 伝統工芸品 | 漆器
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鳴子漆器は江戸時代初期、鳴子温泉に湧き出る温泉の湯治客に向けた実用的な土産物として発展した歴史を持ちます。
特徴は、木地師と塗師の高度な協働による分業制と、木材の模様を活かす仕上げにあります。主にケヤキやトチノキ、ホオノキなどが原木として使われ、薄く挽き均された木地に対して複数の異なる加飾が行わ…
鳴子漆器は江戸時代初期、鳴子温泉に湧き出る温泉の湯治客に向けた実用的な土産物として発展した歴史を持ちます。
特徴は、木地師と塗師の高度な協働による分業制と、木材の模様を活かす仕上げにあります。主にケヤキやトチノキ、ホオノキなどが原木として使われ、薄く挽き均された木地に対して複数の異なる加飾が行われます。代表的な技法である「竜文塗」は、上塗りの漆が乾かないうちに特殊な油を落とすことで、漆の表面に墨流しや龍の鱗を思わせる独特の斑紋を浮き上がらせる手法です。また、漆を木地に直接摺り込んで木目を透かして見せる「拭き漆」や、半透明の漆を塗り重ねる「紅溜塗」などがあり、いずれも木特有の年輪の表情が視覚的に残る仕上がりになります。
道具としての特性は、下地をあえて薄く仕上げることで木材本来のしなやかさを保ち、器全体の重量を軽く仕上げている点です。熱伝導率が低いため、熱い料理を盛り付けても手で持ちやすく、中身が冷めにくい構造になっています。
現在では、伝統的な汁椀や盆、重箱といった和食器に留まらず、現代の生活様式に合わせたスープボウルや弁当箱、コーヒータンブラー、文房具など多様な製品が展開されています。
