川連漆器

  • 秋田県湯沢市
  • 伝統工芸品 | 漆器
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川連漆器は、室町時代後期に家臣たちが武具の鞘に漆を塗ったことから始まったとされる漆器です。のちに漆椀などの生活雑器へと生産の軸足が移り、実用性を重視した独自の工夫が重ねられてきました。 特徴的なのが、木地を燻製にする「燻煙乾燥」です。原木から切り出された木地を数週間煙で燻すことで、木材の水分を均…

川連漆器は、室町時代後期に家臣たちが武具の鞘に漆を塗ったことから始まったとされる漆器です。のちに漆椀などの生活雑器へと生産の軸足が移り、実用性を重視した独自の工夫が重ねられてきました。

特徴的なのが、木地を燻製にする「燻煙乾燥」です。原木から切り出された木地を数週間煙で燻すことで、木材の水分を均一に抜き、変形やひび割れを防ぐとともに、防虫・防カビの効果を高める独自の基礎作りが行われます。この堅牢な木地に対し、柿渋と生漆、さらに地元で採れる珪藻土を混ぜ合わせた下地を何度も地道に塗り重ねることで、日常の過酷な使用にも耐えうる頑丈な土台が形成されます。

仕上げの工程では、上塗りの後に一切の研磨を行わない「花塗」という技法が用いられます。ろいろ仕上げのように後から磨いて光沢を出すのではなく、職人が手際よく均一に塗り上げた漆の層をそのまま硬化させるため、表面にはぽってりとした豊かな肉厚感と、漆本来の吸い付くような潤いのある光沢が生まれます。

加飾には、漆の表面を刃物で彫り、その溝に金粉を埋め込む「沈金」や、金銀の粉で絵柄を描く「蒔絵」の技術が用いられ、堅牢な実用椀に華やかな色彩を添えています。