新潟漆器

  • 新潟県新潟市、加茂市
  • 伝統工芸品 | 漆器
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器の表面を埋め尽くすように細かく彫り込まれた立体的な文様と、そこに降り積もったかのような深みのある朱色の光沢。村上木彫堆朱は、木彫りの技術と漆の技術が完全に一体となった、他にはない独特の手触りと視覚的奥行きを持つ漆器です。「複雑な凹凸」こそが最大の特徴であり、見どころとなっています。 立体感を生…

器の表面を埋め尽くすように細かく彫り込まれた立体的な文様と、そこに降り積もったかのような深みのある朱色の光沢。村上木彫堆朱は、木彫りの技術と漆の技術が完全に一体となった、他にはない独特の手触りと視覚的奥行きを持つ漆器です。「複雑な凹凸」こそが最大の特徴であり、見どころとなっています。

立体感を生み出すのは、トチノキやカツラなどの木地に施される細密な彫刻です。職人がさまざまな形状の彫刻刀を駆使し、牡丹や唐草といった伝統的な文様を浮き彫りにしていきます。さらに文様の背景部分には、「地紋掘り」と呼ばれる細かな格子状の溝や波紋が隙間なく刻まれ、これが器全体に静かなリズムと重厚感を与えます。

彫り上げられた木地の上には、精製された朱漆が何層にもわたって刷毛で丹念に塗り重ねられます。細かな彫刻の溝を埋めてしまわないよう、薄く均一に、しかし確実に漆の層を重ねていく作業には卓越した集中力が求められます。仕上げには、あえて光沢を抑えた特有の生漆が用いられ、これによって彫りの深い部分には自然な影が生まれ、浮き出た部分には鈍い光が宿るという、独自の美しい陰影のコントラストが完成します。