佐渡無名異焼

  • 新潟県佐渡市
  • 伝統工芸品 | 陶磁器
準備中
佐渡無名異焼は、日本の数ある陶磁器のなかでも、際立ってストイックで異質な美を放つ産地です。旅先でこの器に出会うとき、私たちは一般的な土物とは一線を画する、まるで磨き上げられた鉄器や深紅の宝石を思わせる「極限の硬質感」に圧倒されることになります。 美しさを決定づけているのは、佐渡金銀山の周辺から産…

佐渡無名異焼は、日本の数ある陶磁器のなかでも、際立ってストイックで異質な美を放つ産地です。旅先でこの器に出会うとき、私たちは一般的な土物とは一線を画する、まるで磨き上げられた鉄器や深紅の宝石を思わせる「極限の硬質感」に圧倒されることになります。

美しさを決定づけているのは、佐渡金銀山の周辺から産出される「無名異」と呼ばれる酸化鉄を豊富に含んだ赤土です。職人たちはこの極めて粒子が細かく、成形が困難な赤泥を独自の知恵で手懐け、極限まで緻密に焼き締めていきます。1200度以上の超高温の炎で限界まで焼き上げられたその肌は、ガラス質の釉薬を一切纏わない無釉でありながら、驚くほど滑らかで金属的な質感を獲得するのです。

焼き上がった後に施される「生砂磨き」という独自の工程が特徴です。職人が器の表面を丁寧に磨き上げることで、鈍い真紅の土肌から、吸い込まれそうなほど深い「燻し銀のような光沢」が引き出されます。この作為を削ぎ落とした静律な佇まいは、現代のミニマルなインテリアやモダンな食卓において、圧倒的な存在感を放ちます。