博多人形
- 福岡県福岡市周辺
- 伝統工芸品 | 人形・こけし
博多人形は、400年以上の歴史を持ちつ土人形。特徴は、陶磁器のような艶を持たない「素焼き」ならではの温かみと、人間の肌や衣服のしなやかさを生々しいほどに再現した「リアルな躍動感」にあります。
独自の生命感を成立させているのが、地元の粘土を用いた繊細な型造形と、焼成後に一切の釉薬を使わずに彩色を施…
博多人形は、400年以上の歴史を持ちつ土人形。特徴は、陶磁器のような艶を持たない「素焼き」ならではの温かみと、人間の肌や衣服のしなやかさを生々しいほどに再現した「リアルな躍動感」にあります。
独自の生命感を成立させているのが、地元の粘土を用いた繊細な型造形と、焼成後に一切の釉薬を使わずに彩色を施す独自の技法です。職人はまず原型の粘土を彫り上げ、それを分割して石膏の型を取ります。その型に粘土を押し当てて抜き出し、乾燥後に約900度の高温で素焼きにします。焼き上がった白い土肌に対し、職人は「泥絵具」と呼ばれる天然の顔料を用いて、直接絵筆を走らせていきます。ガラス質の膜がないため、絵具が土の表面に深く染み込み、見る角度によって光を柔らかく乱反射させることで、人間の肌の瑞々しさや、着物のしなやかな質感がそのまま紙や布のように表現されるのです。
博多祇園山笠の山車を飾る人形師たちの技術や、交易の拠点として栄えた博多の活気ある文化背景の中で、洗練されていったこの立体造形。土の特性を極限まで活かし、職人の繊細な筆さばきによって人間の細やかな感情や動きの一瞬を切り取る、この土地ならではの美意識が宿っています。
